
簡単に自己紹介をお願いします。
愛知県豊川市に住んでおります、杉浦邦雄と申します。法務局に届け出をする登記測量の仕事をしており、現在は妻と二人で暮らしています。
秋田大学でお話を伺った際、農業もされているとお聞きしました。どんな作物を育てていますか?
母から引き継いだ農地の一部を使って、兼業という形で農業をしています。主にお米とネギを栽培しています。
お米の作付面積はどれくらいですか?
一反五畝(約450坪)という広さです。農家というほどの規模ではありませんが、その分、試験的にDXを活用した栽培に取り組んでいます。スマート農業のようなデータを活用する農業ができたらなと考えています。
昨年は収穫の手応えはありましたか?
ちょうど2年前に圃場の作り替えから始めたばかりで、一昨年が初年度でした。前年との比較は難しいですが、まずまずの収穫だったと思います。
リカレント教育を受講しようと思ったきっかけは?
これまで2000年初頭IT業界に勤めてきて、最近では測量の仕事で農地の測量もしています。一昨年から農地を相続して農業を始めることになり、効率的に作物を育てるにはどうすればよいかを考えるようになりました。その中で、測量データを活用しながら生育に起因する農業データを分析し、より良い栽培方法を模索したいと思ったのが受講のきっかけです。
秋田大学以外に検討されたリカレント教育はありましたか?
はい、いくつかのプログラムを比較検討しました。秋田大学の案内を見たとき、幅広い年齢層が受講していることを知り、自分のように長く勉強から離れていた者にも合っていると感じ、受講を決めました。

学生時代は理系・文系どちらのご出身ですか?
大学は理系でしたが、大学院では経営情報を専攻しましたので、文系寄りの要素もありました。
「DX入門講座」では理系の内容が多かったと思いますが、受講に不安はありませんでしたか?
正直、かなり不安でした。長く勉強から離れていましたので、講義についていけるか心配でした。
実際に受講を始めてみて、最初の印象はいかがでしたか?
講義の内容を理解するまでに時間がかかりました。慣れるまでは少し大変でしたね。
印象に残っている講義や学びのエピソードはありますか?
前半はとにかく遅れないように必死でしたが、データサイエンスの講義では実例紹介があり、講義内容が実際の社会や研究の中で活用されていることを実感できました。私自身の農業データ分析にも応用できると感じ、モチベーションが高まりました。

仕事や農業と両立しながら、どのように学習時間を確保していましたか?
最初はペースがつかめず苦労しましたが、生活リズムの中で「食事、家事、くつろぎ、学習」という時間帯を明確に区切り、ルーチン化して継続しました。
毎日学習時間を確保されていたんですね。具体的には何時から何時まで?
だいたい夜9時から12時までの3時間くらいです。もちろんできない日もありましたが、意識して学習時間を確保することで波に乗れたと思います。
モチベーションが下がった時の乗り越え方は?
「受講を修了すれば、自分の目標であるデータ分析の知識が身につく」と自分に言い聞かせて、最後までやり遂げる気持ちを大切にしました。
受講を終えて、どのような変化がありましたか?
以前は聞き流していたニュースや時事に反応するようになりました。たとえば、情報教育に関する新聞記事などにも自然と目がいくようになりました。
お仕事の面では何か変化がありましたか?
職場の事務作業で繰り返しの多い業務を見たときに、「プログラミングで自動化できるのでは」と考えるようになりました。まだ実行には至っていませんが、視点が変わったと感じています。
今回の学びが今後のキャリアや人生観に与えた影響はありますか?
以前は、70歳を過ぎて大学に通う方の話を聞いても「へぇー」と他人事でした。でも今は、年齢に関係なく学ぶことが心の充実につながると実感しています。生涯学習の大切さを改めて感じました。
受講するか迷っていた頃の自分に声をかけるとしたら?
「それは単なる憧れか、それとも将来に向けた明確な意志なのか」と自分に問いかけたいですね。後者なら、やらずに後悔するよりも、やって後悔する方が前向きな経験になると思います。ぜひ挑戦してほしいです。
受講を通じて、自分の選択を肯定できた瞬間はありましたか?
「DXを活用したデータ利活用や分析をしたい」という当初の目的は、受講前から受講後まで一貫して変わりませんでした。今でもその思いは持ち続けており、継続して取り組んでいきたいと思っています。
時間がないという理由で受講を迷う方に、メッセージをお願いします。
やはり「やらなかった後悔」よりも「やってみた後悔」の方が前向きになれます。受講したいと思う意志があるなら、ぜひ挑戦してみてほしいです。それに、秋田大学の「DX入門講座」は初学者向けにも非常に体系的で、知識がしっかり身につく内容です。受講を通じてその価値を実感できるはずです。
大学の学びは実践的ではないとも言われますが、この点については?
データサイエンスの講義では、政府統計データをWebサイトから抽出して分析する実例がありました。たとえ自分の業種と異なっていても、応用できる可能性は十分にあると感じています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。今後もぜひ、杉浦さんの学びがどのように農業に活かされていくのか、お話を伺えたら嬉しく思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
杉浦さんが受講した講座はこちら:秋田大学地域共創機構「DX入門講座」開催のお知らせ